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おとなりさま

第1章 カラフルオウム




あの子が産まれたときからの
おとなりさま。

もう大変長い付き合いになる。


立川エミル、ちょっと丸顔で、
すらっとした鼻筋に、
全体的に色素が薄い上、
カタカナの名前。

この子は、昔っから
ハーフに間違えられる。


僕を兄のように懐いてくれて、
いつも後ろをついてまわって。

僕もまるで本当の妹ができたみたいに、
幼い頃は嬉しくて、
いつも一緒にいたんだ。


いつからだろう、
僕はエミルを避けるようになった。

楽しいのが一番、という
性格までアメリカンなエミルには、
もっとも、効いていないようだけれど。




僕、柏木俊也。
メガネに黒髪に目が一重という、
なんとも特徴もない、
よく言えばシンプルさがウリの
社会人一年生。


成績は良くも悪くもなく、
極平凡な学生時代を過ごし、
そこそこの大学へ進学した後、
そこそこの中小企業へ就職。


配属部署は営業、
僕と入れ代わりで
前任者が退職したため、
担当していた取引先を
僕が全て受け持つことができた。

入社して3ヶ月、
まだまだ不慣れでアタフタと
しているが、ありがたいことに、
会社の先輩方や、取引先にまで
可愛がれ、支えられて毎日を
過ごしている。


本当、いい会社に巡り会えた。

できるだけ長く、この会社で貢献していきたい。

素直にそう感じた。

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