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君が欲しい

第4章 寝顔

「…南君?」


突然カーテン一枚の向こうから君の声がした。


「あっ、ああ…」


「南君も具合悪いの?」


「んーまあ」


カーテン越しの会話だ。


君の顔が見えず声だけで君の姿を想像する。


「佐伯さん、風邪?」


「うんん、ホントはサボリ」


君の悪戯な顔を想像した。


「ホントは俺も…」


真実を言った。


「ふふ、気が合うね」


君の何気ない言葉が僕の胸を躍らせる。


君が仲村の彼女じゃなければ…


このたった一枚のカーテンを開けて君に触れたかった。

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