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鬼畜の復讐2

第3章 血の涙

~3年後~

依然眠り続ける二階堂拓真の傍らに、妹、麗子がいる。

「お兄ちゃん…私は…いいえ…私もお母さんもお父さんも…あの男、中山隆一郎と…若林あゆみの二人は絶対に許さないわ…絶対に!」

痩せ細り、怪物と言われた面影はもはやなく、ただ眠り続ける拓真の細い手を握る。

「お兄ちゃんをこんなにして…ただあの女を奪うためだけに…あの男は許さないわ…欲とお金と地位に溺れ、お兄ちゃんを見捨てたあの女と家族も!復讐してやるわ!絶対に許さない…」

麗子は持っていた雑誌を握りつぶした。

~3年連続ミス京応の若林あゆみ!!フィアンセは首相の御曹司!!卒業後結婚か~

拓真の病室に、担当看護婦の三田真由子がはいってきた。

「麗子ちゃん。来てたんですか」
「真由子さん…しばらく兄をお願いします」
「え?」
「私…しなければならないことがあって、暫く兄の面倒を看られなくなるので」
「!?麗子ちゃん!?何をするつもりなの!?」
「兄と母の無念を晴らすの…私達家族の幸せを踏みにじったあいつらに復讐するの」
「復讐って!麗子ちゃん!」
「兄をお願いします…真由子さん」
「麗子ちゃん!麗子ちゃん!」

麗子はその後、行方不明となってしまった。

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