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第9章 裏と表

どのくらいの距離を走っただろうか、額から汗が流れる。寝不足の身体には流石に堪え、私は座り込んでいた。

考えないといけない事がたくさん有りすぎて疲れてしまう。

いっそう、全部夢なら楽でいいのにっと
そう思ってしまう。

野原の事も、名取の件も……

考えないといけないのに、私は弱虫で誰かに頼りたい。体操服のポケットから、取り出した携帯をジッーと見つめながら

溜め息が漏れた。

頼るにしても、自分から避けているのに今更なんて言えばいいのか分からない。やり場のない怒りなのか、力一杯叫んだ。

「もう、皆さん勝手すぎます!! 分かんないですよっ!!」

ポロポロと零れた涙だった。

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