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第10章 裏と表(律視点)

一日目

睦月と話していると、妙な女が駆け寄って来ていた。

「睦月ちゃん!?
よかった、急にいなくなっちゃったからどこにいったのかと思って心配したよ」

そう言って、俺を見た女は謝るな睦月など気にしていないようにすぐに俺に言った。

「 は、はじめまして、睦月ちゃんと友達になった野原刹那です。同じ班なので、宜しくお願いしますね。長谷川君」

友達と強調されたように感じつつ、俺はとりあえずは、返事を返した。

「ああ……」

ニコッと笑う女だが、明らかに目が笑っていないように感じた。勘だけは鋭い俺は、基本的に他人を疑い信用しない。だからだろうか、この女が何か企みがあるように思えてしまう。

疑いつつ警戒して女を睨む俺に、睦月の声が聞こえた。

「あ、あの私!
中垣君に伝える事があったので先に戻ってますね」

逃げるように走って行く姿が、少し気になるが俺は女に言った。

「お前も、行ったらどうだ」

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