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第12章 絡まる鎖

動揺丸出しで声が裏返る。中垣は疑うような視線を向け言う

「ほんじゃ、なんでゲーム何て聞いてきたんだ?」

「いや……
あ、あの、それはほら! な、名取君が言ってたのをこっそり聞いたんですよ!」

我ながら下手な言い訳だ。そんな私に長く息を吐いた中垣

「名取が言ってたってなら、何かあるんだろう。でもなぁ、彼奴はヤバイ臭いがプンプンしやがるし……」

と腕を前に組む中垣は、考えているようだった。私は私で問題が山のようにある状況で、一つ一つ考えて行くしかないようだ。

それにしても、ややっこしい。氷の女王の事も名取が言うゲームと、駒、そして、一番の気掛かりは律の事もそうだ。

怒らせたのは私、だからちゃんと話をする時間も作りたいが今は名取の問題が最優先だと思うと深く溜め息を吐き出すしかなかった。

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