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第12章 絡まる鎖

何だか内容がドキドキする私は、息を呑み込み続きを待った。

「王子はすぐに刺客に気付きました、しかし魔女の刺客から姫を守れず王子は自身の無力さに悲しみました。姫は塔に閉じ籠り、深く傷付き出てこなくなってしまいました」

「それから……」

名取は冷たく笑い言った

「王子は魔女と会い話をしました。契約したのです、これ以上姫に酷いことをするなと自分はどうなってもいいとそう言ったのです」

「どうして、魔女にそんな事を言ったの……」

「さぁ、分かんないけど。王子は姫の事が大切だったから、これ以上姫が壊れてしまわないように守ったんじゃないの」

そう言い名取は私の膝の上でコロンッと横向きになっていた。 甘えてくっついてくる名取に、戸惑いつつ髪を撫でていた。

「なんで、頭撫でてるの?」

「寂しそうだったからです……」

返す私に名取は言った

「あ、そうだ。言い忘れてたけど、王子はウサギに会ってお願いするんだ」

「何をですか?」

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