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オレンジ

第13章 真実と罠

現在の時刻11時

私は名取に言われた通りに、野原を連れ出した。場所は、施設内の使われていない倉庫だった。 中はカビ臭く、野原は顔色をやや変えて口を開く

「こんな所に連れてきて、なんなの?」

「…………」

無言の私。

名取に言われただけで、理由は知らない。
それに嫌な予感がする。

「ちょっと、聞いてる?」

野原の怒鳴る声にハッとした私は、クルリと野原の方を向いた。

「えっと……」

言葉が出てこない

数秒の間が苦しくて私はそのまま、俯いてしまった。

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