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長谷川は伏せた目のまま返す。

「そうじゃね―けど、また俺のせいで睦月が傷付くのが嫌だ」

「じゃあ、私も同じですよ」

そう言い、柔らかく笑う私を長谷川は見ていて

「俺は別に、慣れてるし……
睦月は違うだろ」

「いいえ、私は律が周りから嫌な事を言われていると胸が苦しくなります。同じですよ」

「ハァ――
ほんとに良いのか？　もう、離せなくなるかも知れないぞ」

「ええ、構いませんよ。私は元から離す気は有りません」

そう強く言った私を彼は見つめながら

「そうか、じゃあ約束しろよ」

約束？

何の約束なのか、さっぱり分からず首を傾げていた私に