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第5章 離したくない手

そして、中垣の顔色が青ざめた。その訳は長谷川の怒りの籠った声と舌打ち

「中垣……
お前、殺されたいらしいな」

「ひぃっ――! いや、ほら、そんな……」

後退りする中垣に対し、ポキポキと指の骨を鳴らす長谷川。

鬼の形相で、中垣を睨み付け

「覚悟は出来てんだろうな?」

「え、ちょっと待て!? 事故だろ、事故!?」

だが、そんな言葉に耳を貸さない長谷川は中垣に襲い掛かっていた。すぐに逃走した中垣だったが、部屋の外で大きな音だけが私の耳に届くのだった。

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