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第8章 狂い出す歯車

敵意を剥き出しに私を見る野原
苦しくて、苦しくて
目頭が熱くなっていて
野原の声が聞こえた。

「長谷川君は渡さない!! 睦月ちゃんには負けないからね!!」

頭の中が真っ白になって
野原が部屋に戻るのを見ていた。

フラフラと私は部屋から逃げた
苦しくて
辛くて

だけど、言えなかった

『好き』って

それが、凄く悔しくて情けなくて

「っ……うっ……」

叶うはずがないと心の何処かで思っていて
涙が溢れた……

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