
アリスは処女
第6章 お出掛け
「お待たせしました。
さ、とりあえず部屋に戻りましょうか」
「えぇ…」
私はバールの
後ろについて行った。
バールはいつも
ヘラヘラしてるけど
こうやって見ると
かっこいいかも……
私はバールの
横顔を横目で見た。
「姫、良かったですね」
「なにが…?」
「姫が会議に出ていたらルイ王子とかいう奴の隣に座ることになってましたよ」
「…ぇ……どうして…?」
どうして
私とルイ王子の事を知っているの…?
「クリッジから聞いたんですよ。お前も姫の傍にいることが多いんだから、これぐらい知っておけってな」
クリッジ…………
あの事は誰にも
言わないでと言ったのに…
「あ、心配しないで下さい。
俺はクリッジとは違って誰かに言うことはないんで」
「…そう…」
「まぁ姫は休んでて下さいよ」
私は再び
あの部屋に戻って来た。
