君がくれたぬくもり
第19章 宣戦布告
――――――……
しかし、あれから岳はあまり家に帰ってこなくなった。
「今日も岳兄いないの!?」
怜香は気を使ってくれてるのか、
早めに家に帰ってきて傍にいてくれる。
「うん、そうみたい。」
「ほんと最低……。」
「陽菜は大丈夫だよ?」
アハハッと笑ってみせるが、ほんとはすごく泣きたい。
でも泣いたってどうすることもできないんだ。
「岳に電話してみるね?」
「うん。」
携帯を持ってリビングを出る。
岳の番号に電話をかけた。
……
………お願い出て…
『…なんだ?』
「岳……?
今日帰ってくる…?」
『……あぁ』
ホッと胸を撫で下ろす。
「そっか…わかった!!」
『なになに何の話~~!?』
え!??
突然携帯の中から岳じゃない人の声がする。
この声知ってる…
「マリナさん…?」
『あったりー♪』
甲高く笑うマリナさんに身震いする。
岳は毎晩マリナさんのところにいたんだ…