君がくれたぬくもり
第27章 オムライス
輝雄の唇が陽菜の首筋を這う。
「陽菜……俺だけを見てよ……あいつのとこに行くなよ…っ」
「や……っやめて……」
ドンッ!!
輝雄を突き飛ばす。
ベッドに頭をぶつけ、痛がる輝雄を見てハッとした。
「………あ……」
「………。」
「て、輝雄……ごめ……」
慌てて輝雄に寄ると、「触るな」と言われた。
「…ごめんな?
ちょっと……頭冷やすわ。」
ふらふらと立ち上がる輝雄。
「ど、どこ行くの……?」
「すぐ帰るから…
先に寝てろ。」
「あ、待っ……」
―――バタン
閉じるドア。
部屋の中は急に静かになる。
半分も食べてもらえなかった二つのオムライスが
悲しさを物語っていた。
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