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君がくれたぬくもり

第50章 side千夏






「そ…れは……」




口ごもる岳ちゃん。



ほら…



やっぱりやましいことがあるんじゃない…。




「隠し事しないでよ…
あたしには素直になってよ…」



泣きながら岳ちゃんの胸に顔を埋める。



岳ちゃんが好きだから…



あたしは何を言われても耐えるから…。




泣きじゃくるあたしに困り果てた岳ちゃんは大きくため息をつく。




「そいつは…俺の元カノっつぅか…今も好きなヤツ…。
陽菜っていうんだ……」




ひな………



ひなちゃんって言うんだ…




今も好き……なんだ…。




「ごめん…
俺、千夏とは正直、陽菜を忘れるために付き合ってる…」


「………。」




何も言えない…



あたし…代わりにされてたんだ…。




ショックというか…




「そっ…か」


「最低だよな…こんな男。別れたいなら別れていいから。」




岳ちゃんは苦笑いする。



でもあたしは首を横に振った。




「…代わりでもいいよ…?
岳ちゃんが好きだから…」


「千夏………」


「あたしのこと…好きにさせてみせるから…ンッ///」




―――ちゅっ



不意に重なる唇。



少々乱暴だったが、あたしは黙ってキスを受け入れた。





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