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君がくれたぬくもり

第55章 幸せの時





館内のレストランで軽く食事を取り、午後からはイルカショーを見る。



さすが有名な水族館なだけあり、人もたくさんいて、ショーはすごく盛り上がった。




しかし…



ショーが終わり、


人混みを掻き分けながら出口に向かう。



「岳待って…」



人が多過ぎて、うまく進めない。



とうとう岳を見失ってしまった。




「ど…どうしよう…。」



人がいっぱいで身動きがとれない。




岳……


どこ行っちゃったの…?




「岳ぅ……」




一人になり、急に不安になった。



突然岳が陽菜に別れを告げたあの日を思い出したのだ。



やだよ…


離れたくないよ…。




「ふぇーーん…岳ーー…」



溢れ出す涙。


さっきまであんなに楽しかったのに…




お願いだから



陽菜から離れないで……




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