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Sカレっ

第14章 亜矢×久保

「亜矢、どうしたの?」

久保くんが、私の顔をのぞき込む。
凄く心配してくれている。


でも私は、答える気になれなくて。
ずっと休憩所のベンチに座ってた。


「おーいっ玉木さん!!」


すると、目の前の森から瀬川くんと江奈が出て来た。


「……無事でよかったよ」


力無く笑った。

すると、江奈は

「…心配かけてごめん!!えっと…これチョコ!!途中小腹すいた時に食べようと思って…。あ、まだ一口も食べてないから!!……えと…」


ペラペラと話す口調に、あたしは江奈が動揺していること気づいた。


「…ありがとう」





溶けかかったチョコは、

甘くて、

少しだけ、

視界がぼやけた。

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