Sカレっ
第1章 入学式
「1-F??F組は2階の階段上がってずっと左行ったらあるよ」
感じの良い先輩は、階段を指差した。
「あ…近いどころか階違うね」
優はしょんぼり呟き、私も黙ってしまった。
「あはは、あなたF組なんだ??」
「はい…」
教室を教えてくれた先輩は、ネクタイの色で三年生と分かった。
っていうか、よく見ると眼鏡外すと美人じゃない?!
「F組は人数の関係で付け足したような組だから、F組だけ2階なんだよね」
「はぁ…」
「周りは先輩ばかりで苦しいかもしれないけど、何かあったら教えてね。後輩の面倒を見るのが、先輩の仕事だからね」
にっこり笑った先輩はとても可愛くて、入学早々良い人に出会えたようだ。
「ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げると、優と別れて2階へと階段を上がった。