無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「フォークダンスお疲れぇ。結局瀬川と踊ってたじゃん、江奈」

お風呂上がりに、玉木さんがふふっと笑った。

「いやぁ、まぁ……ね」


苦笑いを返すと、玉木さんはキョトンと私を見た。


「どうしたの??裏グラウンドから２人で出て来たと思ったら、そんな浮かない顔して」


「んー…別に何も…。あ、そぉだ。玉木さんさぁ、格好いい男に抱き締められたらドキッとする??」


いきなりの質問に、玉木さんはあたふたする。


「えっ??んんーどうだろ？するんじゃない??」


普通はすると思う。
いくら彼氏がいても、いなくても、すると思う。

でもあたしは、しなかった。
なんでだろ??

瀬川のこと、好きじゃなかったの??


……違う。


瀬川のこと、気になってるよ。
でも、あの時抱き締められて、なんだか………




………瀬川は、
あたしとは別の人を想って抱き締めてた。