Sカレっ
第12章 優×瀬真×瀬良
「あ、トイレ行きたい」
麻由が自由時間中にそう言った。
「ついて行くよ」
麻由の後ろをついていく。
すると、笑い声が聞こえた。
「待ってよぅ、瀬良くん」
瀬良?
「麻由ごめん、先行ってて」
「え?うん」
笑い声の聞こえた廊下のほうへ曲がる。
「ぁ…」
「ぇ、優ちゃん…」
あたしの目の前にいたのは、キスをしようとした瀬良くんと、違うクラスの女の子。
「…なによ?」
「いや、あの、その……」
ゴモゴモするあたしに、瀬良くんが舌打ちをした。
「あーぁ、優チャンに見つかった」
瀬良くんとは思えない、乱暴で、冷たい言い方。
「まぁいいじゃん。あんたには、彼氏だっているんだしさ」
そして、抱きついていた女の子に超激しいキスをした。
「ン…セラ…クン…ハァ…ン…」
「…」
あたしは呆然として、足が動かなかった。