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恋のかたち

第5章 新生活

優愛の通う学校の近くまで来た

その道を通り過ぎ、男子生徒が利用していると、聞いたことがあるレストランへ着いた

ウェイターに案内され、腰掛けた
周りは、熟年夫婦や、畏まった服装のカップルらしき人達の談笑で賑わっていた

全席窓際の作りで、厨房がお店の中心にある

真っ白なテーブルクロスに、座り心地の良い椅子
メニューは、フランス語だった

「何にするんだ?」

メニュー越しに目が合い、何となくメニューに目を逸らして、探す振りをした

注文を終え、コースが並ぶ
どれも素敵な盛り付けでおいしそうだった

・・が、緊張する優愛にはほとんど味は分からなかったようだった

小さく切った鴨のスモークをフォークから落としたり

クリームソースが口端に付いたことに気づいてなかったり・・

ナフキンを手にした秋豊が、席を立ち優愛に近づいて、片膝を着いた。
びっくりしている優愛の口端を優しく拭った・・

これには、優愛も緊張が一気に増し、そして恥ずかしさで赤面した
声にならず、口をパクパクする

「手の掛かるガキみてぇ・・」
言葉とは、裏腹な目を細めた笑みに
胸がキュッとなった

その夜は、居心地が悪いほどの心音に、動揺した優愛だった

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