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旭は今までこのスタジオに
人を呼んだりしたことはなかった。
和也も孝太も咲良も例外ではない。

目の前にあるピアノの音に
憧れているということも、
照れくさくて誰にも言ったことはなかった。

それなのに、
何故か未夢には教えてしまう自分がいる。
恥ずかしいと感じることもない。

不思議な感覚だった。


鍵盤に再び手をかけ、
Reachのイントロを弾く。

チラリと横目で未夢の表情を伺うと、
ゆっくりと目を閉じて
自分の奏でるピアノの音に
耳を傾けてくれているのが分かる。