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完熟の森

第22章 雫の年

冬休みは雫と殆ど一緒にいた。


新年に雪が降り、森は見事な銀世界になった。


僕と雫は降り積もる雪景色を暖かい部屋の窓からずっと見ていた。


「雪止まないわね。この家埋もれちゃいそう」


「雫となら埋もれてもいいな」


「ふふ、珍しい。千晶がそんな事言うの」


「そう?」


「そうよ。千晶はそういう甘い事言わない子でしょ」


「じゃあ、言わない」


「たまには嬉しい」


雫は僕の胸に寄りかかった。


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