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好きです

第10章 高校



待ち合わせの場所に行くと
ソラはもういた。


「合格したんだろ?」


『うん。受かってたよ』


「よかったな」


『うん!ところでソラ、話って』


「あぁ。サチ、一度しか言わないからよく聞いてね。



俺、お前が好き」






『え?』


「でもサチは今でも
レンが好きなんだろ?」



『レンは最近、よくわからない』


「俺のこと好き?」


『普通だよ』


「サチ、聞いてくれるか?」


『なあに?』


「俺、リュウに言われてた。
サチの進路が決まるまで
見守っててって。
だからもう見守る必要は
なくなったんだ」


『リュウは何でソラに頼んだの?
リュウが見守ればよかったのに』


「サチ。




リュウは死んだんだ




あいつ、癌だったんだ」


『え?でも医者になるって』



「それは治ったらの話」


『ソラは知ってて黙ってたの?
何で教えてくれなかったの?』

目から涙が出てきた。


「リュウがサチ、メンタル
弱すぎるから受験が終わるまで
黙っててって頼まれた。

ごめん。サチ、ごめんな。」


『ソラなんて、、

ソラなんて嫌い!!大嫌い』

泣き叫ぶように言った。


それなのにソラは私を
包み込むように抱き締めた。


『ソラにね、抱き締められるとね
なぜかすっごく落ち着くの』


「俺と付き合えよ」


私の涙を指で拭いながら
キスできそうな距離で言われた。


『私、誰とも付き合わない。

今まで通りはダメなの?』

「一目惚れだ。」


『なに?』


「初めて会った日から
ずっと好きだ。今も」


『困るよ』


「じゃあ、友達として
側にいてもいいか?」


『いいよ』

ソラとはこの日を境に
ますます仲良くなった。

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