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わたし色の花

第18章 本当のわたし



閉め切った窓
空気はあるけど風はない
ひとつの鏡台は
わたしが手を伸ばせば届く
ところに在る

わたしはただ
膝を抱えて小さくうずくまってる

鏡台の鏡は
そんな弱々しいわたしを
もう一人作りだした

窓の向こうは
ワタシノ居ナイセカイ

だってわたしは
此処に居るから

窓を覗き込むと
色んな人が歩いてる

知らない人
友達
好きな人
家族
あの人
あの子

みんな平然と歩いてる

わたしなんて
居なくても平気みたいだ

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