
甘く溶かして。
第5章 ホワイトクリスマスーココロー
あたしは吉野と手を繋いだまま
自宅に到着。
吉野は着替えを取りに帰宅。
まあ隣なんだけど。
1人家に入り、玄関のドアに寄りかかった。
ここはあの場所。
吉野とのキ、キキ、…キスの記憶を消すと
誓った場所。
そこであたしは自分の手を取り
吉野と触れていた部分にそっと・・・
口付けをした。
―――何やってんのあたし…っ
無意識に動いていたらしく
その手を勢い良く元の位置に戻すと
玄関のドアが開いた。
「ぇ・・・」
寄りかかっていた
=全体重がドアに乗っていた
ため踏んばることもできず
そのまま地面へ…。
と思うもドアを開けた張本人が
あたしを受け止めた。
「おわっ!って、大丈夫か!?」
「よっ吉野!うんっ……ありがと・・・」
ぎ、ぎこちなっ!
しかも言葉少なになってしまった。
何意識してんの!!
しっかりしろ、逢部若菜!
(自分の名前)
