*記憶のカケラ*
第4章 *デート*
デートとはいっても午前中は図書館へ行って、課題に役立ちそうな本を探すことになっていた。
図書館の中はクーラーがきいていた。
外から来た私には温度差が激しくて少し寒いくらい。
肌をぶるりと震わせる。
するとバサッと音がして肩に服がをかけられた。
「亜梨紗には袖長めでちょうどいいかも。それ着てて。」
と遼が半袖のパーカーをかけてくれた。
こんなちょっとしたことにも遼の優しさに胸が熱くなる。
「ありがとう。」
なるべく照れないように…と気をつけてお礼を言った。