*記憶のカケラ*
第4章 *デート*
自転車に乗りながら山の展望台に向かったけど、お互いに何も言わなかった。
毎日通ってる学校の道は短くてあっという間に感じるのに、今日は長くて長くてなんとなく辛かった。
せっかくのデートなのに遼のこと怒らせちゃったのかな?
楽しいはずのデートなのに不安と心配に胸が押し潰されそうで苦しい...。
好きすぎて、好きすぎて、
今までどうやって「普通」に過ごしてきたのかがわからない。
だんだん息苦しくなる。
まるで呼吸の仕方まで忘れてしまったように...
そんなことを考えてたら、
山の展望台に着くころには私は我慢できなくて涙を流していた。