
紙ヒコーキ
第3章 出会い
私は急いで階段を駆け下りている。
あの紙を開かれるのはいやだ。
なんで、紙ヒコーキなんか折ってしまったのだろう。
むしゃくしゃして、飛ばしたりしなければ、
こんなことにはならなかったのに
後悔の念を抱きながらも、私は三階分の階段を降りきった。
少し、いや、かなり息は上がっていた。
救いだったのは、放課後といっても、だいぶ下校時刻に近い時間帯であったので、校舎に残っていた生徒がいなかったということだ。
もし、いたならば、こんなに勢いよく、派手に音を立てながら階段を降りることなんてできなかったし、
こうして息を切らすこともできなかった。
ムダにプライドだけは高かったから
