続・捨て犬
第3章 近っ。
二人が部屋に来る日
俺は掃除をして
エミは飯の仕度をした
とりあえず
作り慣れてるものでってことで
ハンバーグと
クラムチャウダーと
サラダを作る事にした
俺の好きなもんばっかりだ。
正月なんだけどな
かなり洋食(笑)
約束の時間が近くなると
エミはなんだか
ソワソワし始めた
落ち着かないみたいだ
「エミ?大丈夫か?」
「………」
エミは
黙ったまま俺を見つめた
「ぎゅって…する?」
って言い終わる前に
エミは俺に抱きついた
俺は黙ったまま
エミを抱きしめて
髪をなで
エミの名前を呼んで
唇に唇を重ねた
ちゅっ…くちゅ
「落ちついた?」
「…ん……」
「俺がいるから大丈夫だから」
「うん…」
「すぐ慣れるさ」
「カズマ…近くに座ってもいい?」
「あぁ、いいよ。
でも最初はいつもの場所な?
ダメだったら
ちょっと寄ってくればいいさ」
「うん」
こんなに
慣れた家なのに
萩原が部屋に上がるってだけで
こんな不安になるのか…と
俺はちょっと驚いていた
エミの家に
誰かが来るなんてことが
なかったのかな…