続・捨て犬
第15章 早く大人になって
「ただいま~」
風呂を洗ってたのか
俺の声を聞いて
エミが
風呂から小走りで
玄関までやってきた
「おかえり、カズマ
あのね、カズマ」
「な、ど、どーしたんだよ
いきなり」
よほどのことが
あったらしく
ただいまのキスも
忘れて
エミは俺に話しかけてきた
「あのね
萩原さんが来たの」
「え?
いつ?」
「今日」
い、いや
まぁ
今日だろうけどさ(笑)
「何時くらいに?」
「えっと・・・・」
いや、そこは
だいたいでいいんだけど
「エミ」
「?」
「とりあえず
上がっていいか?」
俺は
まだ靴を履いたまま
玄関に立っていた
ちゅう
しそびれたまま。