続・捨て犬
第15章 早く大人になって
「おい、萩原大丈夫かよ」
たかがビールなのに
何故か酔っ払ってしまった
萩原を自宅まで
俺は送って行くことにした
デカい萩原に
肩を貸してやりながら
今までとは違う
妙なテンションで
久保木さんの隣で
嬉しそうにしている
萩原を思い出すと
とてつもなく
微笑ましくて
萩原の『ゴール』が
見えてくるようだった
無事に萩原を自宅まで
送り届けると
「じゃあ、私はここで」
と帰ろうとする久保木さんを
俺は引き止め
「萩原に殺されるんで
送っていきますよ」
と声をかけた
一人で大丈夫ですと
久保木さんは遠慮していたけど
方向が一緒だからと
嘘をついて
半ば無理やり送って行くことにしたんだ
ちょっと
話したいことも
あったし。