
続・捨て犬
第17章 最終章①・・・教会
「もしもし」
「俺」
「あぁ、なんだ?」
「時間…作ってくれるか」
「…わかった」
何も聞かない萩原に
励まされてる気がした
「おばさんと…おじさんにも」
「わかってる」
「じゃあ…時間決まったら
連絡くれよ」
「あぁ」
「じゃ…また」
「カズマ」
「ん?」
「おめでとう」
…っ…
「よかったな
エミちゃんにも
言っといてくれよ
二十歳の誕生日
おめでとうって」
「………」
あぁ…ココにもう一人
エミの二十歳を
祝ってくれるヤツがいた
良かったな
エミ
萩原のなんてことない言葉に
俺は大声だして
泣いてしまいそになって
喉を詰まらせ
返事をすることすら
できないままでいると
それを察したのか
「じゃあな」
萩原は
そう言って
一方的に電話を切った
