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続・捨て犬

第19章 最終章③・・・本性


ふぅ~~~・・・

隣で眠ってるエミから
顔をそむけながら
俺は
煙草の煙を吐いた


煙草…
やめねぇとな

エミが
汚れちまう

子供ができたら
どうせやめなきゃならないんだろうし
早かれ遅かれ…

あ…

結婚しねーなら
子供はつくれねぇのか…はぁ…


俺は
静かな部屋で
煙の出ない溜息をもらした


エミは
「結婚しない」と
おばさんに伝えてから

一言もしゃべってない


おばさんが何度話しかけても
返事もしないで
俺と出会った頃のように
無表情で黙ったまんま。

ごめんな…

結婚するって決めて
カフェに行ったのに
俺はエミに相談もしないで
やっぱり結婚はしないって
おばさんに言ったりしたから

ショックだったんだろ?


もちろん
あれから俺は
何度もエミに謝ったけど

「気にしないで」

とでも言うように
エミは
首を横に振るだけ


おばさんに
迷惑かけたくなかったのは
嘘じゃない

けど
怖くなったんだよ


もし
エミが連れ戻されたりしたら

そう思うと
急に怖くなったんだ


エミにずっと
側にいて欲しかった
だからもうこのまま…


なんで…
なんでエミの親は
酷いヤツなんだよ…
なんでエミは家出してんだよ…


俺はまた
どーしようもねぇことを
ぐるぐると考えていた


携帯の電源はオフにしてある


萩原から
絶対に電話がかかってくると
思ってるからだ

もう
おばさんから
「結婚はやめる」と
俺が言ったことは聞いてるだろう


何やってんのかな…俺は


間違ってんのかな…全部…



俺に背を向けたまま
眠っているエミを
優しく背中から包み込み
俺はエミの髪に顔を埋めた

同じシャンプーを使ってるのに
何故かエミの髪の香りは心地よくて
いつも俺を癒してくれる

「ごめんな…」

眠ってるのか
眠ったふりをしているのか…

相変わらず
エミからの返事は無いけど
俺はまた
謝っていた

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