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続・捨て犬

第19章 最終章③・・・本性

Side カズマ


「分かった。
じゃあ、待ってるから。

分かってるって
先に一人で行ったりなんか
しねーから」


待ち合わせの駅に先に着いた俺は
そう言って
萩原からの電話を切った

けど

先には行かねぇなんて約束
どーでもいい

俺はすぐに
エミの保険証に記されていた住所に向かおうとしたが
駅から歩いて行ける距離じゃなかった

タクシーにでも乗らないと…

けど
タクシーで往復なんかしてたら
おばさんが駅に着いちまうな。


仕方なく
俺は駅周辺を
エミが居ないか歩いてみることにした

じっとなんて
してられないからだ


エミの携帯は
相変わらず通じない


今日の夕方からは
電源が入ってない状態だ


自発的に電源をオフにしてんのか
充電が切れたのか

それとも…


親に取り上げられたのか…


俺は
ぎゅーっと奥歯を噛みしめ
首を横に振った


けど
振っても振っても
悪い妄想ばかりが
俺の頭の中を
駆け巡る


エミ…


勝手に
どっか行ったりすんなって
あんなに何度も言ったのに…


俺が…悪かったのかな


俺が




悪いんだろうな…





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