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続・捨て犬

第20章 最終章④・・・着信



それからすぐに電話を切って
俺は凛さんからの話を
みんなに説明した。


「それでエミちゃんの
行方が分かりづらくなるなら
戻ったらすぐ
ウチに移しなさい。
カズマくんもエミちゃんも
おばさんのところなら
安心でしょ?」


「いいんですか?」


「構わないわよ!
さっきも言ったでしょ?
おばさんはね
エミちゃんの親になるって」


その言葉で
スーッと
エミの身体から
力が抜けたのが分かった。


本当に
感謝してもしきれない。


本当に
ありがとう

おばさん


「大丈夫よ、エミちゃん」


そう言って
おばさんがエミの側に座ると
エミがやっと俺から離れ

そしてエミは

おばさんに抱きしめられた。


「おばさん
絶対にエミちゃんを
離さないから」


エミの親が

こんなに優しく
こんなに
あったかい人だったら

幸音に

幸せな音が
聞こえたんだろうな…


「…おっ…」


「なぁに?
エミちゃん」


「…お…

……おっ……



……お母さん…」

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