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続・捨て犬

第20章 最終章④・・・着信


「そんでさ…

いつか…っ…

いつか
子供が産まれたら


めちゃくちゃ可愛がってさ


けど
子供がいたずらしたり
悪いことしたら
ちゃんと叱って
それから
どうして叱ったのか
しっかり説明して

それから


それから


ぎゅーーって
抱きしめてやりてぇ」


って
俺はエミを
ぎゅーーって
抱きしめた



「……」


「いっぱい可愛がる。

けど悪いことしたら
可愛いから
ちゃんと叱るんだ。


ちゃんと生きろよって。


上手くできるか
わかんねーけどさ(苦笑)」



「カズマ…」



「ん?」



「私……」



「うん」



「結婚したい」




「ありがと…エミ…」




その時俺は
気付いていた。


俺の心の中に


親になりてぇなって
気持ちが芽生えてることを。



それから



今日一本も

煙草を吸ってねぇことを。

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