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続・捨て犬

第5章 ひでぇよなぁ・・・俺



それから俺は
ただ、そっと
エミの震える肩を抱き寄せ

震えが治まるのを
待っていた


夜、夢を見て
泣いている事はあっても

出先で
こんな風になったのは
はじめてだ



しばらくすると
やっと震えは治まり

エミは
俺の肩に頭を預けた


どのくらい

そうしていたかな…



どちらからも
何も話さず

ただ
ぼんやりと
前を通り過ぎる人を見ていた



「エミ…帰ろうか…」



「帰りたい」



「うん。どうして?」



「落ち着くから」



「そうだな」



階段から腰をあげ

エミの肩を抱いたまま

俺は歩いた




エミは

身体をすくめ

下を向いて歩く




サラサラした髪は

肩から流れて落ちて

エミは

まるで



誰にも見つからないよう

隠れながら
歩いてるみたいだった


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