続・捨て犬
第5章 ひでぇよなぁ・・・俺
階段を上がると
玄関のドアが開いて
エミが
少し顔を出した
待ってたんだな・・・
「ただいま」
「おかえり」
ちゅっ
エミに
おでんを渡して
靴をぬぎ
エミの腰に手をまわして
軽く抱き寄せると
エミは
なんだか切ない目で
俺を見上げた
俺を
待っててたはずなのに
帰ってきてくれて
うれしい・・・
って表情じゃねぇな・・
「おでん、あったかいぞ
すぐ食べるか?」
「ん~・・・」
「昼、何食べたんだ?」
エミは
黙ったまま
首を横にふった
「そっか
んじゃ、一緒に食うか?
俺と同じ具ばっか
買ってきてやったから。
食わせてやるから
一緒に食おう、な?」
「・・うん・・」
食わせてやるって
言っても
ニコリともしない
俺まで
沈んじゃいけねぇのに
心配で心配で
仕方がない
あの
笑わないエミに
戻ったみたいで
俺は
不安でたまらなくなってしまった