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メルヘンわんこと一緒!!

第3章 3匹目




階段から見たときよりも大降りになった雨



えぇい!!!
水も滴る良い女!!!

意味のわからない覚悟を決めて
雨の中に飛び出そうとした瞬間


「…濡れちゃうよ?」



あれ??
濡れてない…


「ゆらちゃん朝ぶり」

「あっ甘川くん朝ぶり」


甘川くんが傘をさしてくれていたおかげで濡れなくてすんだみたい


「傘…入って行く?」

「いやっ…大丈夫だよ??ほら家の方面も違うと思うし」

朝だって誤解されかねないことがあったのに
これ以上は甘川くんにも悪いし
何より恥ずかしい



ぐいっ
「…だめ」

無理矢理傘の中に入れられる

「家…どこ?」

「あっじゃあ…あの…〇〇駅まででお願いします」

「…うん」

「あっありがとう」

「…うん」


顔に熱が集まる
顔…きっと真っ赤だ

隠すように下を向いて歩く


チラッと横を向いた時に甘川くんの肩が傘に入ってないのに気づいて
そっと傘をかたむけようとするも

「大丈夫…だよ?」

の一言で片付けられてしまった


久しぶりにされた女の子扱いにまた顔に熱が集まるのがわかった



雨の中他人の目も気にならないくらいにどきどきした不思議な下校時間


わんこと相合い傘



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