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『無題』(今現在は)

第3章 ~出来ない訪問~

日頃から

その薄暗い道は

人通りが少なく

痴漢が出没する様で

『チカン注意』

の立て看板がある

誰かしか通って発見して

いれば防げたかもしれない

妹が連絡をしていれば

迎えに行ってやれたかも

しれない

しれないが続く程

妹を殺した犯人を

何もしてやれなかった自分を

恨む池田晶子

その池田晶子を救ったのが

関真里子であった

池田晶子も

また教え子の一人であった

今の池田晶子に戻るまでは

それは大変だったが

関真里子の優しさは

天下一品

それが何故

池田晶子は関真里子の様に

ならなかったのか?

それは性格

育ちの問題と言えよう

多分?

おそらく?

一方

自宅に戻った池田晶子

仏壇に飾られた写真を

手に椅子に座る

写真を見つめながら

自分の想いに心の中で

会話する様な感じの

池田晶子の姿

写真からは何も語らない

だが答えを写真から

見つけ出そうとする

池田晶子

その答えが出るまで

写真を見続ける池田晶子

その写真に写っている

池田晶子の妹の顔は

何となく

春風春菜に似ていた

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