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井上真緒編

第3章 3

次の日は、真緒は、会社に行って、いつも通り仕事をした。後は、現場回りをすれば仕事が終わる。仕事が終わったら、不動産屋に行って、物件を探すことにしていた。いくら気が強いとは言っても、あんな化け物と暮らすわけにはいかない。引っ越してあの化け物がいなくなら当然、引っ越すだけだ。そして、その現場回りも終わり、会社に向かっている途中で、真緒は声を掛けられた。それは、占い師だった。街角で、行列を作るほど人気のあるなんとかの母だった。テレビに出ることもあるので、真緒も顔を何度か見たことがあった。

母「ねえ、あんた。ちょっと、待ちなさい」
真緒「ええ、私ですか」
母「そうそう、あなたよ」
真緒「なんですか」
母「あなた今大変なことになっていない」
真緒「ええ、そんなことが分かるんですか」
母「ああ、分かるよ。あんたこれからもいろいろあるよ」
真緒「ちょっと、怖いな」
母「うん。頑張らないといけないよ」
真緒「え、何があるんだろう」
母「それは、私はいえない」
真緒「どうして」

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