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最後の方は、文字が震えていて読みづらかった。
私の視界も曇っていたせいもある。

私の大事な澪は、あの男に殺されたのか…
あの男に…

私からすべてを奪うなんて。
私が見た最後の澪は、胸までの黒髪を翻し、目が眩むほどの白いワンピースをサラリと着こなしている笑顔の澪だった。


その手紙が届いた日から、私の生活は一変した。
なんのやる気もおきない毎日。
死にたくても死ねない情けなさ。
もう二度と笑うことはないのだろう。
怠惰な生活は、数年続いた。


ﾞ復讐しなきゃﾞ

ふと頭によぎった。
復讐…そうか復讐か。
少しは気が紛れるかもしれない。
私の目に光が戻りはじめていた。

そんな私のもとに、又しても希望を無くす情報が入る。
あの男が行方不明になった。
目眩がした。
復讐を誓った途端に、矛先を見失ったのだ。
その喪失感は、大きかった。