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澪―みお―

第3章 葛原 幸次

賭けだった。
父親から澪を救い出す為の。


「澪には好意を抱いている青年がいる」


それを告げれば、解放されると賭けたのだ。
今思い返せば、結果は解りきっていたことなのに。
執着心の強い父親が、澪を手放すハズはなかったんだ。
呪われている。
父親は執着というものに魅入られていたのかもしれない。
だから、おれも子どもの頃から賭けの連続だったんだ。

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