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澪―みお―

第3章 葛原 幸次

離別を望まれることはわかっていた。
でも一人で生きていかせるには、胸が痛んだ。
引き止めても、美智子の決意は変わらないようだった。
もう楽にしてあげなくては…
おれは美智子の手を放したのだ。

初めは連絡を取らなかった。
いや、父親の目もあり取れなかったというのが正解か。
父親は澪に夢中だった。
しばらくしてから澪の写真を美智子に送った。
年を増してだんだんと母親に似てくる澪。
知らせてやれずにはいられなかった。
もちろん返事はない。
それでも良かった。

澪は成長していく。
その度に父親に違和感を覚える。
澪へ対する態度に。

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