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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~

第4章 ♠RoundⅢ(淫夢)♠ 

「だって、気持ち良すぎて、壊れそう―」
「壊れれば良いじゃないか。こんなに気持ち良くなるのは、久しぶりだろ?」
 紗英子を容赦なく追い上げる直輝の声もまた、欲情が滲んで甘く掠れている。
「だって、恥ずかしい」
「何を今更、恥ずかしがる必要があるんだ? 俺たちは夫婦だろ、こんなことは何度もやった」
「久しぶりだから、声出すのが恥ずかし―」
 言いかけた言葉は言葉にならなかった。
「あ、あ、あぁっ」
 紗英子は自分でも信じられないくらいの嬌声を上げながら絶頂に達した。
 大きな焔が紗英子をすっぽりと飲み込み、灼き尽くす。
「どうだ、気持ち良かったか?」
 顔を覗き込まれても、紗英子は荒い息を吐きながら、瞳を潤ませるばかりだ。
「胸と舌だけでこれだけ乱れるなんて、紗英子は信じられないほど嫌らしい身体をしてるんだな」
「―直君の意地悪」
 紗英子が拗ねたように言うと、直輝が紗英子の目尻に浮かんだ涙を唇で吸い取った。
「でも、そこが堪らなく可愛いんだ。俺はもう長い間、こんな風に可愛らしく乱れるお前を見ていなかった。漸く欲望に素直になった紗英子を見られて、嬉しいよ」

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