好きだってっ!?
第2章 変わらぬ日々
「…っ」
「…鏡、どうしたの?」
俺がデスクに伏せていると隣から低温で、それでも冷たくはない優しい声がかかった。
「…う゛ーん?何でもない」
俺は声の主の方を見ずに、伏せたまま
返事をした。
て言うか、言えるわけねぇだろ
男に掘られてね、腰破壊されそうなくらい痛いんだぁ…ってか?
口が裂けても言えるかそんなもん。
「…さっきから腹押さえてるけどー、何か拾い食いでもしたのかい?
それで腹下したとか…プッ」
俺を馬鹿にしたように笑う。
「…ちっ、ちがうっ」
俺は反射的に声の主に怒鳴っていた。
「…朝から元気だねぇ…鏡は」
ケラケラと笑うこいつは、俺の同僚…
塚田 晋(ツカダ シン)
サラサラの黒髪に黒縁の眼鏡を掛けている。
優しく笑う瞳の奥にはとてつもない鬼畜心が燃え盛ってるのを俺は見て取れた。
こいつ、楽しんでやがる。
人が困ってるのを見てすっげぇ楽しんでやがるっ!!
言い返したいが今はそんな元気はない。