
YOU were...
第9章 第九章
「とりあえず中入っちゃダメ?」
「ごめん。つい…」
雄は抱きしめていた腕をそっと解いて
私の肩に置いて、そっと家の方に導いてくれた。
「大地さんは隣の中学の先輩だった。
俺は中2のとき、同じ学校のタメの…彩と付き合ってた。
正確に言うと、付き合ってると思ってた。」
「どういうこと?」
「彩、俺とは浮気だったの。ギャグみたいだろ?」
「まさか…」
「さすが英修高生は勘が鋭いな!
そう。本命はあいつ。他中の先輩だった大地さん。
クッソ怖かったぜ。俺の彩になにしたんだよって
学校帰りに待ち伏せされててよ。」
「それで?どうなったの?」
「もちろん、彩とは別れた。
大地さんとはそれ以来顔を合わせてなかった。
だけど、今年の夏。まさかこんなことがあるとはなあ。
新しいバイト先には既に大地さんがいた。」
「久々に会っちゃったわけだ。
向こうは気づいたの?」
