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秘書のお仕事

第2章 屈辱




『ほんっとーにすいませんでしたー!!』


あたしは羞恥など捨て、とにかくその場に平伏す勢いで頭を下げた




『社長様だとは露知らず…ご無礼を働いたこと、どうかお許し下さいー!!!』



やっと受かった採用試験


こんなバカみたいな出来事で水に還してしまうなんて、絶対嫌だー!!




「えー…どうしよっかなぁ」



あたしは顔を床に向けたまま、苦い顔をした



社長様の顔色を窺うのが怖い



ってか、何であたしこんなとこにいんの…?



ここって社長室だよね…!?


何で!?


他の新入社員はいずこ!?




「よし、決めた」




その声に、あたしは恐る恐る顔を上げた




「俺の靴舐めたら、許してやるよ」



『…』




もしあたしが魔術を使えるなら…この男を真っ先に呪い殺してやるだろう




『な…何でそんな…!!』



「じゃなきゃ今すぐクビにするけど」



『…』



もう、頭からつま先まで、がちがちに固まる思いだった





もともと、プライドは高い方のあたしが、こんなクソ社長の靴を舐めるなんて…


堪え難い




『い…嫌です』


「クビが?」


『いえ…』




あたしは体を起こし、社長の顔を見据えた




『どっちもです』



「…」



社長は、目を細めた




「君にはこの二択しかない」



『…』



ほんとに
こいつ、うざいな…



「どっちを選ぶ?」





『…あたしが舐めたら…絶対クビにしませんか…?』



「約束しよう」



あたしは瞼を伏せた



心に誓ったんだ




いつかこの男に
あたしがこれから受ける屈辱以上の屈辱を味わわせてやろう、と…







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