
なんやかんやでモテる主人公
第17章 ありきたりなストラップ
はっとした顔で私を見るあきの君。
「清水って…なつき?」
コクンッと頷く。
「なんかあったんか?」
首を横に振る。
だって…今喋ったら
泣いてる事バレちゃうじゃん…
「うそつけ。
目腫らしてるクセに」
私はますます
クッションへ顔をうずめる。
「言いたくないことやったら
無理には聞かへんけど…
ちょっとは頼ってきいや?」
「………っ…うん」
ひょろっとした声で
答える。
あきの君は、私が落ち着くまで
ずっとそばにいてくれた。
それだけでも、私は
支えられていたのかもしれない。
あぁ…本当にたくさんの人に
頼ってばっかだなぁ…
「あいつってなぁ…」
あきの君は口を開いた。
